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「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律」が平成23年6月に制定され、

平成24年4月1日から施行されました。

内閣府NPOホームページ

改正点の内容

NPO法人(特定非営利活動法人)

NPO法人の要件
設立の流れ
役員
定款
解散・清算



 NPOとは
 
「営利を目的とせず、公益活動(社会貢献活動)を、組織的・継続的に行う民間の組織体(法人格は問わない)であり、その特徴として、

 @非営利:剰余金の分配禁止(配当禁止)
 A非政府:国や地方自治体でない
 B公益性:不特定多数の者の利益の増進のための活動
 C組織化:代表者、会則等(ボランティアとの違い)

があります。
通常「NPO」と名乗るのに制限はなく、役所への届け出や報告などもありませんが、「NPO法人」は、所轄庁の認証・法務局への登記が必要であり、毎年報告書を提出しなければなりません。

法人化のメリット、デメリット
 メリット
 法人名での不動産登記・銀行口座開設・契約行為(事務所の賃貸、電話、損害保険、借入等)、事業化(介護保険事業)、社会的信用(毎年の報告書で事業活動の把握ができる)、組織や活動のルールが明確化
 
 デメリット
 事務処理の煩雑化(事業報告、会計)、情報公開(事業内容、会計書類、役員名簿等)、納税、登記、会計、総会・理事会等法に従った運営、、解散した場合の残余財産の処分の制限など


 NPO法人の要件

 特定非営利活動を行うことを主たる目的とする団体で次のいずれも満たすこと
@次のいずれにも該当する団体であって、営利を目的としないこと(法第2条第2項第1号)
 ア 社員(総会で議決権を有するもの)の資格の得喪に関して、不当に条件を付さないこと
 イ 役員(理事又は監事)のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1であること(役員報酬と給料・手当ては別)

Aその行う活動が次のいずれにも該当する団体であること(法第2条第2項第2号=12条1項2号)
 ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものではないこと
イ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものではないこと
ウ 特定の公職の候補者(候補者になろうとするものを含む)若しくは公職にあるもの又は政党を推薦し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものではないこと(選挙活動等の制限)

B暴力団又は暴力団若しくは暴力団員の構成員等(構成員でなくなってから5年を経過しないもの)の統制化にある団体ではないこと(法第12条第1項第3号)

C10人以上の社員(正会員など総会で議決権を有する者)を有するものであること(法第12条第1項第4号)


 特定非営利活動 (別表 第二条関係)
一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二 社会教育の推進を図る活動
三 まちづくりの推進を図る活動
四 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
五 環境の保全を図る活動
六 災害救援活動
七 地域安全活動
八 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
九 国際協力の活動
十 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
十一 子どもの健全育成を図る活動
十二 情報化社会の発展を図る活動
十三 科学技術の振興を図る活動
十四 経済活動の活性化を図る活動
十五 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
十六 消費者の保護を図る活動
十七 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動


 必要書類

 ○設立認証申請書(規則第1号様式)
 ○定款 (縦覧) 役員名簿(役員の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての
 ○報酬の有無を記載した名簿)(縦覧) 各役員が法第20条各号と第21条に違反しないことを誓約し、
並びに就任を承諾する書面の写し(コピー)。*各役員毎
(愛知県は原本証明不要、議事録も同じ)
 ○各役員の住所又は居所を証する書面(住民票、外国人登録済証明書等、写し不可)。*各役員毎
※住基ネットで検索できる場合は省略可
 ○社員名簿(10人以上の社員の氏名及び住所又は居所を記載した名簿)
 ○法第2条第2項第2号と第12条第1項第3号に該当することの確認書
 ○設立趣旨書 (縦覧) 設立についての意思の決定を証する議事録の写し(コピー)
 ○設立当初の事業年度、及び翌事業年度の事業計画書 (縦覧)設立当初の事業年度、及び翌事業年度の収支予算書 (縦覧)


 設立の流れ

発起人会
・社員10人以上を決定
・役員
・設立趣旨書
・定款の起草
・設立初・次年度事業計画
・設立初・次年度収支予算
を決定

設立総会の開催
発起人や設立当初の社員によって、発起人会で決まったことの確認と決定。 また申請用の議事録を作成。その他には、役員の確認書などの最終的な意思を決定。

その後
認証申請書を県又は内閣府へ提出
   ↓
県公報に掲載
   ↓
公衆の縦覧(2ヶ月間)
   ↓
縦覧期間終了後2ヶ月(愛知・内閣府は4ヶ月)以内に認証の可否を決定
   ↓
認証後2週間以内に設立登記(登記=設立)
   ↓
設立登記完了届出書・閲覧用書類提出

設立(登記)後に行うこと
・ 設立時の財産目録の作成及び備え付け
・ 県への設立登記完了届け及び閲覧書類の提出
 閲覧用書類一覧
  「設立登記完了届出書
   登記事項証明書
   閲覧用書類提出書
   定款
   登記事項証明書のコピー
   設立時の財産目録」
国税、地方税関係の届出
労働保険、社会保険関係の届出


役員について

理事は3名以上、監事は1名以上(社員の中から選任することができる)
理事の過半数をもって、特定非営利活動法人の業務を決定します。
監事は理事又は職員を兼ねることは出来ません。

役員の欠格事項
ア:成年被後見人又は被保佐人
イ:破産者で復権を経ないもの
ウ:禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日又は受けることがなくなった日から2年を経過しないもの
エ:暴対法等により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
オ:暴力団の構成員等
カ:第43条の規定により設立の認証を取り消された特定非営利活動法人の解散当時の役員で、設立の認証を取り消された日から2年を経過しない者

任期
2年以内において、定款で定める期間。但し定款で役員を総会で選任する旨を明記している法人は、定款により、後任の役員が選任されていない場合、任期の末日後最初の総会が終結するまでその任期を伸長することができる。

親族数の制限
各役員について、その配偶者又は3親等以内の親族が1人を超え、又は役員総数の3分の1を超えてはならない

欠員の補充
理事又は監事のうち、定数の3分の1が欠けたときは、遅滞なく補充しなければならない

変更の届出
役員が新たに就任した場合や、役員の氏名、住所又は居所に変更があったときは遅滞なく、その旨を所轄庁に届け出る必要がある


 所轄庁による監督(特定非営利活動促進法41〜43条)

・報告徴収、検査
法令や法令に基づく行政庁の処分又は、定款に違反する疑いがあると認められる相当の理由があるときは、所轄庁は、法人の業務又は財産の状況に関し、報告をさせ、又はその職員に立ち入り検査をさせることが出来る。

・改善命令
次の事項が認められるとき、その改善に必要な措置をとるように命令することが出来る
1:法第12条第1項第2号から第4号までに規定する法人の要件を欠くとき
2:その他法令、法令に基づく行政庁の処分又は定款に違反するとき
3:その運営が著しく適正を欠くとき

設立認証の取り消し

ア 法人が改善命令に違反し、他の方法により監督目的が達成されないとき
イ 3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わないとき
 認証の取り消しは、解散事由・役員の欠格事由です。ご注意ください

事業報告書等の提出書類
 ○事業報告書(ホッチキスや製本ではなくクリップ止めにする)
 ○財産目録
 ○貸借対照表(勘定式)※各会計毎に勘定式か報告式かどちらかを提出
 ○収支計算書(特定非営利活動に係る事業)
 ○収支計算書(その他の事業)※その他の事業会計がある場合
 ○前事業年度の役員名簿(前事業年度において役員であった者全員の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿)
 ○前事業年度の社員のうち10人以上の者の名簿

罰則規定
改善命令に違反したときは、50万円以下の罰金に処せられるほか、登記を怠ったとき、各種届出義務、事業報告書等の作成・備え置き・提出義務等に違反したときや、報告・検査に関し違反したときは、20万円以下の過料に処せられることがある

 定款記載事項

絶対的記載事項
@目的
A名称
Bその行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
C主たる事務所及びその事務所の所在地
D社員の資格の得喪に関する事項
E役員に関する事項
F会議に関する事項
G資産に関する事項
H会計に関する事項
I事業年度
J解散に関する事項
K定款の変更に関する事項
L公告の方法

相対的記載事項(定款に記載しなければ無効)
@その他の事業を行う場合には、その種類その他当該その他の事業に関する事項
A残余財産の帰属すべき者
B理事の代表権の制限
C理事による法人の業務の決定方法
D役員の任期の伸長
E定款の変更に係る議決の特別多数要件の変更
F社員による臨時総会の開催の請求に必要な社員数
G理事その他の役員に委任される法人の事務
H総会の決議事項の事前通知の原則の例外規定
I社員の平等な表決権の適用除外
J総会に欠席した社員に書面による表決権限と代理人を出席させる権限の適用除外
K第31条第1項第1号及び第3号から第7号までの規定以外の解散自由
L残余財産の帰属先
M合併するための、社員総会の議決の特別多数要件の変更
N解散の決議の特別多数要件の変更
O解散したとき、理事以外のものを精算人に選任できる旨

 解散
解散事由(法第31条第1項)
@社員総会の決議 
A定款で定めた解散事由の発生         
B破産                A〜Cは解散届け
C社員の欠乏 
D目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能 → 解散認定申請
E合併
F法第43条に規定する設立認証の取り消し

解散認定申請
Dのみ
申請書と目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能の事由を証する書面
解散の決議が無いため認定申請を行う

解散届け
申請書と解散及び清算人の登記をしたことを証する登記事項証明書


 清算

清算人
法人が解散したときは、合併及び破産の場合を除き、理事が清算人となる。ただし、定款に定めがあるとき、又は社員総会において他の人を選任したときは、その定め又は選任によるものが清算人となる。

清算人の職務

1:清算中に就職した清算人は、就職後、当該清算人の登記をしたことを証明する登記事項証明書を添付して「清算人就職届出書」を三重県知事に提出しなければならない

2:清算人は、現務の結了、債権の取り立て及び債務の弁済、残余財産の引渡しを行うために必要な一切の行為をすることができる

3:清算人は、その就職の日から2ヶ月内に少なくとも3回公告して、債権者に対し、2か月以上の一定の期間内に債権請求の申出をする旨を催告する必要がある。ただし、その公告には、債権者が期間内に申し出をしないときは、その債権は清算から除籍される旨を付記しなければならない。判明している債権者には個別にその申し出を催告する必要がある

4:清算中の法人が破産したときは、清算人は、直ちに破産手続き開始の申し立てをし、その旨を公告する必要がある

5:清算が結了したときは、清算人は、清算決量の登記をしたことを証する登記事項証明書を添付して「清算決了届出書」を提出しなければならない

残余財産の帰属
1:解散した法人の残余財産は、合併及び破産の場合を除き三重県知事に対して清算決了届出書を提出したときにおいて、次のもののうちから定款で定める帰属先に帰属。

他の特定非営利活動法人、
ア 国又は地方公共団体、
イ 公益社団法人、公益財団法人、
ウ 学校法人、
エ 社会福祉法人、更生保護法人

2:定款に残余財産の帰属先に関する規定がない場合には、清算人は「残余財産譲渡認証申請書」を三重県知事に申請し、認証を得て、その財産を国または地方公共団体に譲渡することが出来る。

3:定款に帰属先の定めがなく、清算人が認証申請をしなかった又は不認証になった場合国庫に帰属する


法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条)
1 物品販売業
2 不動産販売業
3 金銭貸付業
4 物品貸付業
5 不動産貸付業
6 製造業
7 通信業(放送業を含む。)
8 運送業(運送取扱業を含む。)
9 倉庫業
10 請負業(事務処理の委託を受ける業を含む。)
11 印刷業
12 出版業(特定の資格を有する者を会員とする法人がその会報その他これに準ずる出版物を主として会員に配布するために行うもの及び学術、慈善その他公益を目的とする法人がその目的を達成するため会報を専らその会員に配布するために行うものを除く。)
13 写真業
14 席貸業
15 旅館業
16 料理店業その他の飲食店業
17 周旋業
18 代理業
19 仲立業
20 問屋業
21 鉱業
22 土石採取業
23 浴場業
24 理容業
25 美容業
26 興行業
27 遊技所業
28 遊覧所業
29 医療保健業
30 一定の技芸教授業等(洋裁、和裁、着物着付け、編物、手芸、料理、理容、美容、茶道、生花など)
31 駐車場業
32 信用保証業
33 その有する工業所有権その他の技術に関する権利又は著作権の譲渡又は提供
34 労働者派遣業

特定非営利活動に係る事業であっても、上記34業種に該当すると認められると法人税法上は収益事業と見なされることがあります




平成24年4月施行の主な内容(設立時に関するもの)

1 活動内容の追加
主たる目的として掲げる内容に
 ・観光の振興を図る活動
 ・農山漁村または中山間地域の振興を図る活動
 ・別表各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県または指定都市の条例で定める活動
が追加されます。

2 認証申請書の提出先の変更
複数の都道府県に事務所を設ける場合、
申請書類の提出先が内閣府から主たる事務所が所持する都道府県知事(または政令指定都市の長)
に変更されます。

3 決議の代替
理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案した場合、
全員の書面又は電磁的記録による同意を、社員総会の決議とすることができるようになります。

4 理事の代表権の制限
理事の権限に対する制限は事情を知らない第三者に対して、対抗できるようになります。

5 認証後未登記の認証取り消し
登記を怠っていた場合、理事・監事等は20万円以下の過料に加え、
所轄庁が認証を取り消すことができるようになります。

6 計算書類の変更
収支予算書が活動予算書(活動に係る収益と費用の見込みを記載したもの)に改められます。
また設立後作成すべき収支計算書が活動計算書(事業の実績を表示するもの)に改められます。

詳細は内閣府NPOホームページ